チタンの加工技術
チタンの特徴と性質が活かせる分野がたくさんあり、それを活かして製品を作るためにチタンの加工技術をご紹介します。
- ■成形加工
- ・板の曲げ加工はJIS3種、4種材では3倍以上まで曲げ加工が可能です。
・成形性SUS304とSUS430のほぼ中間ですが、スプリングバックが大きく、工具とのかじりを起こしやすいため、成形速度の調整が必要です。また潤滑剤などの使用を必要とします。
・曲げ張出し、絞り加工などで冷間加工が困難な時は、500℃〜600℃の熱間加工により、成形することが可能です。
・棒材や管材などの加工も容易にできます。
- ■溶接・接合
- チタンは溶接性に優れており、溶接による特性変化が少ないという特徴があります。溶接・接合の種類には下記のようなものがあります。
TIG溶接
MIG溶接
プラズマ溶接
不活性ガス溶接
スポット溶接
シーム溶接
フラッシュバット溶接
- ■機械加工
- チタンの切削性は旋削、平削、ねじ切り、孔あけ、スライス加工、鋸引きなどが可能です。しかし切削熱が上がると焼き付けが起こりやすく注意が必要です。
- ■表面処理
- チタンは自然に酸化膜でおおわれています。その性質を活かして皮膜の厚みを変えて発色させることが可能です。チタンの硬度は普通100〜130HBですが、表面を窒化や炭化することで、高度を飛躍的に高められます。
- ■絞り加工
- 純チタンはステンレス鋼より絞り加工性は優れており、特に高潤滑皮膜としてポリシートを用いた場合は極めて良好となります。純チタンは焼き付けが起こりやすく、潤滑条件の最適化を行えば純チタンの絞り加工も可能です。